L-92乳酸菌のアレルギー、アトピー、花粉症、鼻炎への効果とビオチンとの関係【カルピスアレルケア】

まずはカルピス社が公表している、L-92乳酸菌の効果に関する実験結果を列挙してみましょう。

L-92乳酸菌の実験結果

アトピー性皮膚炎

【その1】
対象:4歳~15歳、20人
方法:8週間の摂取
結果:症状+治療スコア改善(7.7→3.5)、やや有効10%、有効70%、著しく有効10%

【その2】
対象:1歳~12歳、50人
方法:対照試験、8週間の飲用
結果:症状+治療スコア改善度が対照群より大、血清中TARC抑制(対照群では増加)

【その3】
対象:10ヶ月~3歳、45人
方法:対照試験、6ヶ月の摂取
結果:皮膚炎スコア改善(対照群の4倍程度)、TARCとIgE減少

【その4】
対象:18歳~54歳、49人
方法:対照試験、8週間の摂取
結果:皮膚炎スコア改善(対照群の6倍程度)、好酸球減少、TGF-β増加

通年性アレルギー性鼻炎

対象:49人
方法:対照試験、8週間摂取
結果:鼻の症状+治療スコア改善(対照群の1.4倍程度)、目は2.3倍程度

花粉症

【その1】
対象:80人
方法:0、20㎎、60㎎、180㎎をそれぞれ8週間
結果:摂取量が多いグループほど改善度大

症状スコア(左から0、20㎎、60㎎、180㎎
鼻:-0.1、-0.6、-0.75、-1.75
目:-0.1、-0.9、-0.75、-1.25

【その2】
対象:23人
方法:対照試験、6週間の摂取
結果:目の症状+治療スコア改善(対照群の1.4倍程度)、医薬品の使用頻度減

医薬品の使用頻度(左から増、不変、
プラセボ群:29%、51%、20%
L-92乳酸菌群:0%、35%、65%

以上が公表されている研究結果です。

ちなみに、「○○倍」とかの数値は、グラフから読み取ったものですので「だいたいの数値」です。^^; でもだいたいあっていると思います。

何が改善されているのか?

症状スコア、治療スコアとは

さて、実験結果で気になるのはまず「○○スコア」という言葉ですよね。

このスコアが改善されたというのはどういう意味なのかと。

上記の研究結果では「症状スコア」「治療スコア」というのが出ていますね。

症状スコアの方は、たとえば症状を、最重症から無症状まで、5段階に分けて、あとは医師が症状を診察して採点するというものです。

これが5段階ではなく、もっと細かく分ける場合もあるようです。試験の目的に応じて、分け方を変えることもあるのでしょう。

治療スコアというのは、それぞれの治療行為に対して点をつけていくものです。「抗ヒスタミン薬=1点」「鼻噴霧用ステロイド薬=2点」等々。

症状が重いほど、いろいろな治療が必要になりますので、スコアも大きくなるという仕組みです。

そうして採点した症状スコア、治療スコアを見たところ、「改善」という結果が出たというのが、上に挙げた試験結果ということになります。

TARC(ターク、タルク)とは

次に、「血清中TARC抑制」という結果も得られてるんですけど、「TARCって何?」という話ですよね。いきなりTARCと言われてもわからない。

TARCというのは簡単に言うと、アトピー性皮膚炎になっている皮膚が出す「手紙」みたいなものです。

この手紙を受け取って、リンパ球の一種のTh2細胞が皮膚に集まってくるんですが、これが皮膚の炎症を進めてしまいます。

アトピー性皮膚炎がひどいほどTARCと呼ばれる「手紙」がたくさん出されますので、TRACの量を調べれば、アトピー性皮膚炎の重症度を客観的に計測できると考えられています。

で。

L-92乳酸菌を取ることで、その客観的な数値が下がったということですね。

IgE、好酸球について

「IgE減少」という結果も出ていますが、これについては以前詳しく取り上げました。

なぜアレルギー反応が?~発生のメカニズム

このIgEも、増加することでアレルギー症状の原因となります。それがL-92乳酸菌の摂取で減ったということですね。

好酸球は、白血球の一種ですが、これまた以前取り上げました。

免疫細胞の種類と仕組み~白血球、リンパ球、マクロファージの働きって?

好酸球もやはり、増加することでアレルギー症状の原因となると考えられています。そしてこれもL-92の摂取で減ったと。

TGF-βとは

TGF-βは「トランスフォーミング増殖因子β」の略です・・・なんて言われてもサッパリですね。^^;

骨とかコラーゲンの増殖のために必要な物質なんだそうです。

これがL-92乳酸菌の摂取によって増加したとのことですが・・・

困ったことに、TGF-βは過剰になると、アトピー性皮膚炎の一因になるとも言われています。

なのでこの結果は、「改善」と呼べるかどうか微妙ですね。

L-92乳酸菌摂取による変化まとめ

L-92乳酸菌の摂取によって・・・

・症状スコア改善(医師の診断による重症度)
・治療スコア改善(治療の必要性が軽減)
・各種血液数値改善(客観的な数値の変化)

これらが見られたということになります。

これらを総合して考えると、L-92乳酸菌の摂取は、アトピー性皮膚炎や花粉症、鼻炎など、アレルギー症状の改善に非常に期待できるのではないかと考えられます。

L-92乳酸菌が役立つメカニズムは?

ではなぜ、L-92乳酸菌がこういったことに役立つのか、そのメカニズムはどうなっているのかということが気になりますよね。

免疫細胞

これは、まず単純に、「腸には人体の免疫細胞の6割以上が集まっている」ということを考えると、「それなら良い影響はあるかもしれないな」という推測はできます。

L-92乳酸菌によって、腸内環境が良くなれば、免疫システムも正常に働きやすくなるだろうということですね。

腸内の有害物質

それから、腸内で悪玉菌が増えれば、悪玉菌が生み出す有害物質も増えるということになります。

この有害物質が吸収されて、血液に乗って皮膚まで届けば、それがアトピー性皮膚炎の原因の一つとなってもおかしくはありません。

腸内環境の改善で肌年齢はどうなる?~乳酸菌ときれいなお肌の関係

ビオチンとの関係

また、ビオチンという物質との関連も考えられています。

ビオチンはビタミンB群の一種なのですが、

ビオチンは糖代謝、脂肪酸代謝、タンパク質代謝、どれにとっても必要な物質です。

肌はタンパク質でできていますし、皮脂は脂肪であることを考えると、ビオチンの不足が肌に悪影響を与えるのは納得できることです。

実際、欠乏症状として肌の異常だけでなく、白髪や結膜炎も見られます。

また、これだけでなく、ビオチンは過剰なヒスタミンを抑制する働きもあると考えられています。

ヒスタミンというのは、「かゆみ物質」なんて言われることもありますが「炎症」という状態を作り出すために活躍する物質ですね。

ビオチンはこれを抑制する方向で働くと。ということは、ビオチンが不足すれば、炎症は起こりやすくなるということになります。

実際、アトピー性皮膚炎の人の体内のビオチン量を調べてみると、健康な人よりずっと少ないんですね。

それで。

このビオチンが、L-92乳酸菌とどう関係あるのかというと、ビオチンは、腸内の善玉菌によって作り出されます。

逆に、悪玉菌によって減少してしまいます

つまり、乳酸菌で腸内環境を良くすれば、体内のビオチンが増え、アトピーの症状改善に役立つのではないか、と考えられるわけですね。

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