【サプリの信頼性】エビデンスレベルとは~メタ分析?ランダム化比較試験(RCT)?コホート研究?

サプリメントの成分で、

「◯◯という効果があることが研究によってわかりました」

なんて宣伝されていることが多いです。

「専門家の研究」にも信頼度の格付けがある

で、「専門家による研究結果」と言われると、「これは間違いなく効果がある!」と思いたくなるものですけど・・・その研究結果にも「信頼度の格付け」があるんです。

研究であればどれもこれも「確実」というわけではないんですね。

それでその、「信頼度の格付け」のことを「エビデンスレベル」と言います

「エビデンス」というのは「根拠」とか「証拠」という意味ですね。

つまり研究結果を、その根拠の確かさに基づいて格付けしするものを「エビデンスレベル」というわけです。

具体的には以下のような格付けになっています。

エビデンスレベル

1a・・・ランダム化比較試験のメタアナリシス

1b・・・少なくとも一つのランダム化比較試験

2a・・・ランダム割付を伴わない同時コントロールを伴うコホート研究
2b・・・ランダム割付を伴わない過去のコントロールを伴うコホート研究

3・・・症例対照研究(後ろ向き研究、ケース・コントロール研究)
4・・・処置前後の比較などの前後比較、対照群を伴わない研究

5・・・症例報告(ケースレポート)

6・・・専門家・権威の意見など

ということで下のレベルから見ていきましょう。

専門家・権威の意見など

まずレベル6ですが、これは実際に対象に接していない人の意見ということになります。その中でも、専門家の意見ですね。一般人の口コミや感想とかではありません

ちなみに、人間を対象としない「動物実験」や「試験管内での実験(in vitro)」も、このレベル6にあたるようです。

つまり、人間を対象にしたものでなければ、エビデンスレベルは最低ランクになってしまうというわけですね。

症例報告(ケースレポート)

レベル5は症例報告ということですが、これは研究というより文字通り「報告」「レポート」です。

つまりお医者さんが患者と接していて、何か興味深いことや、これまで知られていなかった事例に遭遇した場合に、これを報告書にまとめたものです。

珍しい症例に出会ったとか、意外な治療法や薬が効いたとか、そういうことをまとめたものですね。

処置前後の比較などの前後比較、対照群を伴わない研究

レベル4から「研究」が主目的となりますが、比較対象群がありません

対象が一人であれ、複数であれ、同じ症状に対して同じ治療法や薬を用いてみた結果、どう変わったのかを分析するものですね。

比較の視点はないということです。

症例対照研究(後ろ向き研究、ケース・コントロール研究)

レベル3になりますと、症例対照研究ですので「比較」という視点が入ってきます

たとえばある病気の人を集めたAというグループと、健康な人を集めたBというグループを比較して研究します。

「後ろ向き研究」ですので、AグループとBグループ、それぞれ過去にどう生活してきたかを、比較したいポイントに注目して調査していくわけですね。

たとえば、タバコがAグループの病気に関係しているかどうかを調べるために、

「過去5年間、1日平均何本のタバコを吸ってきたか」

なんてことをAグループとBグループで調べて比較してみる、といった形です。

コホート研究とは

レベル2はどちらも「コホート研究」ということですが、これは追跡調査をするものです。

ただ、対象はランダムに選ぶのではなく、研究者が目的に応じて選びます。もちろん、比較の視点を入れて、対象を選びます。

で、2bのほうは「過去のコントロールを伴う」、2aのほうは「同時コントロールを伴う」ということですね。

2bは「これまでにこういうことがあったグループが、これからどうなっていくんだろう」という調査ですね。

たとえば、ある地域の人々はアスタキサンチンをこれまでよく摂取してきました。別の地域の人々はそれをあまり摂取していません。この二つの地域の人々の健康状態がこれからどう変わっていくのか、追跡調査しましょう、という感じ。

2aの場合は「同時コントロールを伴う」というわけです。

これはたとえば、グループαとグループβに、それぞれ似たような人を集めます。そしてグループαの人たちにはこれから毎日ヤクルトを飲んでもらいます。βの人たちには飲んでもらいません。

そうした上で、αとβで、これからどう健康状態が変わっていくのか追跡調査しましょう、という感じですね。

どちらかといえば2bよりも2aの方が、エビデンスの格付けは上だとされています。やはり過去のことは不正確になりがちですから。

ランダム化比較試験とは

そしてレベル1ですが、1bのほうは「ランダム化比較試験」となっています。「無作為化比較試験」とも言います。略して「RCT」とも言います。

それで、なにが「ランダム」なのかというと、対象となる一定の母集団から「ランダム」に観察対象を選び出して、研究する、ということなんです。

だから、母集団自体はランダムに選ぶわけではありません。それでは研究が成り立たないでしょう。

まず母集団を決め、そこからランダムに「治療群」と「対照群」を選び出します

さらに。

ただ選ぶだけじゃありません。誰がどちらのグループに入るかは、調査する研究者にも、それから調査される被験者にもわからないように選びます。

そうして実験を進めていきます。これを「二重盲検法」といいます。

もちろん、調査が終わったあとは、誰がどっちか、すべてわかるようにしておきます。そうしないとこれまた研究になりませんから。^^;

誰がどちらか研究者にも被験者にもわからないようにするわけですから、「プラセボ(プラシーボ、偽薬)」も用いなければなりません。

たとえば、グループαにはヤクルトを飲んでもらうけど、グループβには何も飲ませないのでは誰がどっちのグループかバレちゃいますよね。^^;

そこでプラセボとして、グループβには、ヤクルトと味は全く同じだけど乳酸菌シロタ株は入っていないものを飲んでもらう、ということになります。

こうして、ランダムに対象を選んで、二重盲検法で調査を行っていくものを「ランダム化比較試験」と呼びます。

ランダム化比較試験のメタアナリシス

そして最後に、エビデンスレベルが最高の1aですが、「ランダム化比較試験のメタアナリシス」となっていますね。

メタアナリシスはメタ分析ともいいますが、この言葉だけ聞くとなんだか難しそうに聞こえますけど、単に「多くのランダム化比較試験の例を調査して結論を出す」というだけのことです。

自分では臨床試験などはせず、世界各地で行われたランダム化比較試験の例を集めて、その研究結果を調査し総合することで結論を出す、というわけですね。

この、沢山のランダム化比較試験を調査する「メタアナリシス」が、エビデンスの格付けとしては最高級、もっとも信頼度が高い、とされています。

なので、何かの栄養成分の研究結果を見る場合、「ランダム化比較試験のメタアナリシスの結果・・・」なんて書いてあったら、「ああ、これはすごく信頼度が高いんだな」と思えばいいわけですね。

あくまで「ランダム化比較試験」のメタアナリシスですよ?

街の酔っ払いの意見のメタアナリシスではダメだということです。(笑)

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