上限金利の推移~今後も見直しはあり得るので注意

グレーゾーン金利も廃止され、現在のところ、上限金利は出資法の20%となっています。

でも上限金利ってたびたび見直されているんですよね。ただ、2つの法律のせいで、それがわかりにくいものとなっていました。

そのせいで借りる方も貸す方も混乱することになります。

2つの法律とは、利息制限法と出資法ですね。

で、どっちが昔からあったのかというと利息制限法の方です。早くも、1877年にできています。大日本帝国憲法より先にできた、ということですね。

利息制限法の上限金利は…実は変わっていない

この時の上限は年20%でした。以外にも、今と変わらなかったんです。もっと細かく書くと以下のようになります。

100円未満・・・20%
100円以上1000円未満・・・15%
1000円以上・・・12%

今と同じ三段構成ですが、いまより金利が低い感じですよね。それが1919年、ヴェルサイユ条約の年にこう変わります。

100円未満・・・15%
100円以上1000円未満・・・12%
1000円以上・・・10%

下げられていますね。その前年に起こった、米騒動の影響でしょうか。

次に見直されるのは戦後です。1954年

10万円未満・・・20%
10万円以上100万円未満・・・18%
100万円以上・・・15%

つまり、利息制限法ではもう、1954年の時点で現在とおなじになっている、というわけなんですね。

意味がなかった利息制限法

ところが実際の利息上限はこの通りにはならなかったんです。

なぜなら、任意に結ばれた契約なら、利息制限法を超える利息を取っても無効にならない、とされていたからです。

こうなるともう・・・「何のための法律?」となってしまいそうですね。

ということでもう一つ、今度は罰則付きの法律ができました。それが「出資法」です。

出資法、驚きの上限金利

利息制限法は明治のはじめに早くもできましたが、出資法ができたのは戦後です。

だからそれまでは、利息はいくらとっても構わない、任意の契約であれば構わない、という恐ろしい状態だったわけです。

で、やっと出資法ができたのが1954年

今時の上限金利はいくらだったと思いますか?

これがなんと。

109.5%

もうほんと、法律ってわけがわからないですよね。

利息制限法では20%が上限と言っておきながら、出資法では109.5%というめちゃくちゃな金利を認めています。

見直しがあったけど…それでも高かった

それでその後、1970年代にサラ金問題が深刻となりますが、それでもしばらくは109.5%のままでした。

1983年になってやっと見直されましたが・・・それでもなんと73%

まだまだ、現在と比べるととんでもない金利です。

それがまた見直されて1986年に54.75%になり、1991年に40.004%になり・・・

20世紀最後の年、2000年にやっと29.2%となります。

そして御存知の通り、2006年に貸金業法が改正され、それが2010年に施行されることでグレーゾーン金利がなくなり、やっと20%になったというわけです。

やっと「わけのわからない法律」状態が終わったということですね。

これがまた。

見直される可能性も

さらに見直される可能性もあります。

貸金業の金利規制緩和 自民が法改正検討

これ、昨年の記事ですが、現在のところまだ金利は変わっていませんね。

ただ「健全経営」と認められた貸金業者は、金利上限が29.2%に戻される、なんてことが考えられているようです。

これはつまり、消費者金融への統制を強めようとする考えとも言えますね。

国の一存で、その業者の上限金利が大幅に変わるわけですから。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする