消費者金融と民事裁判~民事訴訟は過払い金返還だけではない

消費者金融と民事裁判というと、グレーゾーン金利が廃止されたことから、「過払い金返還請求」を思い浮かべる人が多いでしょう。

でもそれだけじゃないんです。

たとえば多いのは「悪質な取り立て」に対する民事責任の追求ですね。

民事責任と刑事責任の違い

でも「民事責任って何?」と思う人もいると思います。

これ「刑事責任」と違うんですよね。

簡単に言うと「民事責任」というのは個人(または法人)が個人(または法人)に対して問う責任のことです。

だから「民事裁判」「民事訴訟」というのは「個人対個人の喧嘩」みたいなものですね。だから、責任のとり方としては「お金で損害賠償」というのが原則です。

それに対して「刑事責任」というのは「国」が個人に問う責任のことです。こっちは責任のとり方としては「懲役などの刑罰を受ける」ということになります。

ということで、話を元に戻して。

消費者金融の「悪質な取り立て」に対して民事責任を問う場合ですね。これには以下の様な例があります。例によって個人名、団体名はすべて仮名です。

【例その1】職場の近くで怒鳴る

斎藤さんの妻良子さんは、夫に内緒で三島金融から借金をしていました。

しかし夫に内緒で返済しなければならず、夫の収入も多いわけではないため返済が遅れてしまっていました。

そうしたところ、三島金融の社員が、斎藤さんの職場である工場の前まで来て、「妻の借金を返せ」と大声で怒鳴るようになりました。

さらに斎藤さんのすむアパートの玄関ドアにも「金返せ!」などの貼り紙をするようになりました。

そこで斎藤さんは、このような行為に対して損害賠償を求めることにしました。

そうして裁判になりましたが、裁判所は三島金融に対して、50万円の慰謝料支払いを命じました。

【例その2】債務者の上司に圧力をかける

山本さんは消費者金融タカハシからお金を借りていましたが、なかなか返済できずにいました。

そうしたところ、山本さん本人ではなく、山本さんの職場の上司のところに、タカハシから連絡が行くようになりました

「おたくのところの山本さんが借金しているのですが、上司のあなたからなんとか言ってやってくれませんかね」

というわけです。

それで山本さんに対する上司の風当たりが強くなり、職場に居づらい状態になってしまいました。

これに対して山本さんが裁判に打って出たところ、裁判所は消費者金融タカハシにたいして慰謝料80万円の支払いを命じました。

現在は法律が厳しくなっているので…

以上、悪質な取り立てに対して、損害賠償が命じられた例でしたが、この2つの例は30年も昔の例です。

ですので現在では、もっと高額の慰謝料が認められる可能性があります。

また、この例のような取り立ては改正された貸金業法にも違反していますので、業者の人間は刑事責任も問われることになるでしょう。

当然、貸金業者として登録していれば、登録抹消などの行政処分も考えられます。

つまり業者は、賠償金を取られ、懲役を科せられ、登録も抹消されるというふんだり蹴ったりの状態になります。

ということで現在では、こういうことをする業者は稀だと考えられます。こういうことをするとすれば、よほど「何もわかっていない」業者ですね。

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