自動車担保ローン「乗ったまま融資」で騙された話

消費者金融キャッシングは担保を取らないのが普通です。それこそが消費者金融のメリットと言ってもいいくらいですからね。

でも、条件的になかなか融資を受けられない場合、

「担保を出せば借りられるんじゃないかな・・・」

と考えることもあるでしょう。その考えは、ごく真っ当です。

でも、それで焦ってしまうと、担保が「弱み」になってしまいます。

ということで今回は、自動車を担保に取られて騙された人のお話です。例によって、出てくる個人名、団体名はすべて仮名です。実在の個人、団体とは一切関係ありません

「自動車には乗ったまま借り入れできます」

佐藤さんは急にお金が必要になったのですが、そんな時、電話帳でこんな広告を見つけました。

「自動車担保で低利融資いたします」
「自動車には乗ったまま借り入れできます」

これを見て佐藤さんは、自分の持っている車は、国産でそこそこ高級なものだし、「簡単にお金を借りられる、しかも自動車はそのまま使える」と判断しました。

また、「NTTの電話帳に広告を出しているくらいだから、信用できるだろう」という考えもありました。

領収書に署名捺印してしまう

そこで佐藤さんは、広告を出していたオートファイナンス社に連絡を取りました。

すると「さっそく車を見せてください」ということになりました。

オートファイナンス社の事務所に行くと、「すぐに融資、ということなら10万円まで可能です。ということになりました。

佐藤さんは「ちょっと少ないかな?」と思ったのですが、とにかくすぐにお金が必要だったので、「それでいいよ」ということになりました。

そして本人確認書類や車検証、また印鑑証明や委任状、さらに「10万円借りました」という領収書まで渡してしまいました。

「1日だけ審査時間をください。遅くとも明日には振り込みます」
「審査の間だけ、自動車をお預けにください」

ということになったので、佐藤さんは自動車を預けて帰ることにしました。

話が違う!

そして翌日・・・

確かにオートファイナンス社からお金は振り込まれていました。

でもそれが8万円でした。

そこで佐藤さんはオートファイナンスに連絡を入れました。

「10万円のはずではなかったのですか? 8万円しかありませんが」
「利息分を先にいただいておきました」

佐藤さんは納得いきませんでしたが、8万円でも緊急の用には足りると思ったので、仕方なく受け入れました。

「でも車の方は、今日返してくれるんですよね?」
「残念ながら、審査の結果、佐藤様の条件ではそれは不可能、ということになりました」
「話が違うじゃないですか! 車がないと仕事にならないのに!」
「契約書に書いてあるはずですよ?」

契約書を確かめてみると、確かにそれらしきことが小さな文字でごちゃごちゃと書かれていました。

1日で20%の利息?

でもさすがに、自動車がないと困るので、

「じゃあ8万円は今すぐお返ししますから、車を返してください」

ということにしました。
でもその時、驚くべき言葉が返ってきました。

「何を仰ってるんですか、佐藤さんには10万円ご融資したはずです」
「え?」
「10万円借りた旨の領収書もいただいております」
「あ・・・」

ということで結局翌日、佐藤さんは10万円を払って自動車を返してもらいました。

警察も手を出せない

1日で20%の利息を取られたことになりますので、「違法だ」と考えた佐藤さんは、警察に連絡して、オートファイナンスに同行してもらいました。

ところがオートファイナンスは、

「佐藤さんは『10万円借りた』と、領収書を書いてくださっています」
「当社は10万円お貸しして10万円返していただいたのです」
「つまり無利息で融資してさし上げたのです」

こう言われて、佐藤さんは、

「利息は先に引いたって言ったじゃないか!」

と反論しましたが、

「それは、どういうことでしょう? 記録がありませんが・・・」
「お聞き間違えになったのでは?」

と言われてしまいました。
たしかに電話で聞いただけで、記録は残っていません

結局「民事不介入」ということで警察官は引き上げてしまいました。

最大の失敗点は?

以上、佐藤さんの例ですが、いろいろな点で失敗しています。

まず、電話帳に出ているというだけで信頼してしまったのも失敗ですし、契約書の内容をよく確かめなかったのも失敗です。

でも最大の失敗はお金を受け取る前に領収書にサインしてしまったことですね。

お金を受け取る前にこういうものを書かせようとしている時点で「怪しい」と思うべきでした。

ただ、焦っているときはなかなか冷静な判断ができないものなんですよね。

この例では「民事不介入」ということで警察は引き上げてしまいましたが、弁護士に相談すれば、なんとかなるかもしれませんね。

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