開放性、潜在性二分脊椎症の原因は遺伝?葉酸不足?~水頭症の併発も

「二分脊椎症」なんて、聞いたことない人が多い病名だと思いますけど、妊娠中の人や、妊娠を意識している人なら知っているかもしれません。

これ、赤ちゃんがなってしまうことがある先天的異常なんです。

「なってしまう」と言っても確率は低くて、2000人に1人くらいの割合だそうです。

二分脊椎症とはどんなものか?

原因に触れる前に、まず、どんな症状なのかを説明しておきましょう。

二分脊椎症の「脊椎(せきつい)」とは、背骨のことですね。だから背骨が「二分」されてしまう病気、ということになります。

つまり、背骨が割れてしまっているということ。

なぜそんなことが起きるのかというと・・・

脊椎、つまり背骨の中には「脊髄(せきずい)」が通ってますよね。脊髄って、神経の幹ですよね。太い神経の束。

脊椎=背骨
脊髄=神経の束

漢字は似ているけど違います。

ということで背骨は普通、脊髄を通すパイプのような形になってます。脊髄をクルンと包んでいる形ですね。

ところが、赤ちゃんがお腹の中で育つ過程で、何らかの原因でそのパイプがクルンとうまく閉じずに、隙間が開いたままになってしまうことがあるわけです。

となると・・・中の脊髄、つまり神経の束が、背骨からはみ出してしまうことになります。ちょっとこれ、怖いですよね。

そういう状態を「二分脊椎症」というわけです。

開放性と潜在性、2種類があるがある

そしてこれには「開放性」と「潜在性」の二種類があります。

「開放性二分脊椎症」というのはもう、体の外まで脊髄がはみ出してしまっている状態です。背骨の外どころか、皮膚の外まで出てしまっている状態。別名「脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)」とも言います。

「潜在性二分脊椎症」はまだ、皮膚や脂肪をかぶっているので「開放性」より少しはましな状態です。こちらは異常がある部分にコブができたりします。

こんなことになってしまったら・・・体に色々な異常が出ることはお医者さんでなくたってわかります。

二分脊椎症の影響

はみ出してしまった脊髄が傷つけられたり圧迫されたりすれば、その位置に応じていろいろな障害が表れます。

特に、二分脊椎症は、背骨の腰より下の部分で起こりやすいですので、排尿や排便が困難になったり、歩けなくなったりということが起こります

もちろん開放性二分脊椎症の場合は、すぐに手術をして皮膚を閉じなければ、命が危険にさらされます。

また、開放性二分脊椎症の場合、「水頭症」を併発してしまうこともあります

これは、頭の中に体液がたまりすぎて脳が圧迫され、脳にまで異常をきたしてしまう病気です。

以上、二分脊椎症の症状がどんなものか、だいたいのことはわかりました。

二分脊椎症の原因と予防法

でも肝心なのは「原因」や「予防法」ですよね。

まず原因ですけど・・・困ったことに、現在のところ医学的にも確実なことはわかっていないそうです。

ただ、「原因と考えられる」ことはいくつか推測されています。以下のようなものです。

・遺伝
・母体の状態
・栄養

この3つですが・・・まあこれ、二分脊椎症に限らないことですよね。一般的に考えられること。

まず遺伝ですが、原因としていちおう考えられているものの、それほど確率は高くないと考えられています。

次に母体の状態ですが、簡単に言えば「お母さんの健康状態」ですね。

母親に喫煙習慣があると危険度は増すようです。またもってのほかのことですが、妊娠中に喫煙したりですね。これは更に危険度が増します。

それから、母親が極度な肥満で健康状態に疑念が持たれる場合。それから糖尿病を患っている場合。

あとは「抗てんかん薬」の服用をしていても、危険度は高まると考えられています。

ここからわかる「二分脊椎症予防法」は「お母さんが健康に気をつけること」という当たり前のこととなります。

3つ目の栄養ですが、まず、ビタミンAの過剰摂取は危険度を高めると考えられています。

ビタミンAの過剰摂取は、妊娠中の女性に限らず、誰にとっても避けるべきものですけど、特に妊婦さんの場合、赤ちゃんに影響が出てしまう可能性があるということです。

でもだからといって、逆にビタミンAをとらないというのもこれまたよくないことですよね。適度に取ることは大事。

葉酸による予防

あと、影響として大きいと考えられているのが葉酸です。

どれだけ摂取すれば予防に役立つ?

葉酸の効果に関しては、医師の観察報告もあります。

それによると、

・妊娠4週間前~妊娠12週
・1日0.4㎎(ミリグラム)=400μg(マイクログラム)
・サプリメントで

これだけの葉酸を摂取し続けると、二分脊椎症の発症リスクが低減するとのことです。

また、多くの疫学調査でも、1日0.36㎎~0.5㎎の葉酸摂取で、二分脊椎症など「神経管閉鎖障害」の発症リスクが低減するという結果も得られています。

厚生労働省による参考資料

上に、抗てんかん薬によって二分脊椎症の発症リスクが高まると書きましたが、これは、抗てんかん剤が「葉酸不足」の状態を作ってしまうからです。

摂取上限は?

ここで気になるのは、葉酸の「摂取上限」です。過剰摂取で何か悪影響があっては困りますから。

厚生労働省の葉酸摂取基準は以下のようになっています。

18~29歳女性:推奨量0.24㎎、上限0.9㎎
30~49歳女性:推奨量0.24㎎、上限1㎎

ちなみに男性も基準は同じです。^^

これを見ると、妊娠準備中~妊娠中の女性の場合、推奨量はずっと多くなることがわかります。

でもそれでも、上限まではまだかなりの余裕がありますので、調整がシビアということはありませんね。

食事+サプリメントで葉酸摂取

上記、医師による報告ですが・・・

・妊娠4週間前~妊娠12週
・1日0.4㎎(ミリグラム)=400μg(マイクログラム)
・サプリメントで

サプリメントで摂取した結果ですので、当然サプリメント以外にも、食事で葉酸を取っているはずです。

つまり、

食事(?㎎)+サプリメント(0.4㎎)

なので1日0.4㎎だけということはなく、それより多い量の葉酸を、妊娠4週間前から取り続けたことになります。

こう聞くと、

「サプリメントじゃなく食事から摂取すればいいのでは?」

と思うかもしれません。

食事だけから葉酸を取ろうとする場合、妊娠準備~妊娠中の女性の「推奨量」は厚生労働省基準で

0.48㎎

となっています。

単純に「2倍摂取」ということですね。

これ、食事だけで取ろうとすると大変です。

たとえば、納豆1パック(50グラム)で、0.06㎎の葉酸を摂取できます。

これで0.48㎎というと、納豆8パックということになります。これ、毎日食べるの無理です。^^;

もちろん、納豆以外からも摂取すればいいのですが、それでも「葉酸重視」のメニューになって、かえって他の栄養が足りなくなるのでは?ということも考えられます。

ということでサプリメントによる葉酸補充が、簡単で良さそうです。

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